『スターリン問題研究序説』をめぐる経緯
佐々木洋(札幌学院大学名誉教授)
佐々木 洋
アリーナ2013 第16号
発行: 中部大学
発売:風媒社(2013年12月25日)
B5判 674頁
定価: 本体2000円+税
http://www3.chubu.ac.jp/publication/arena/arena_18/
[目 次]
特集同時代への思索
巻頭言 同時代を思索するために 近代と現代――◎小島亮
◎デイスカッション
エピローグとなった「序説」への研究序説
――『スターリン問題研究序説』と七〇年代後期の思潮――
◎加藤哲郎/岩間優希/影浦順子/小島亮
【討論1】『スターリン問題研究序説』をめぐる経緯 ◎佐々木洋
【討論2】私にとっての『序説』とその時代 ◎藤井一行
【討論3】『序説』刊行前後の執筆者グループの状況と経過、
そして刊行後の反響について ◎中野徹三
スターリン問題研究序説 中野 徹三 、高岡 健次郎、佐々木洋、佐藤俊二、藤井 一行、橋本剛、村山紀明 著 大月書店 46版上製 1977年12 月 |
【全目次】
はしがき
――本書の課題意識とその前程をなすもの
第一章 「スターリン主義」とは何か 中野 徹三
一 はじめに
二 「スターリン主義」の定義と問題構造
l 「スターリン主義」という用語について
2 「スターリン主義」の諸定義
3 作業仮説としての定義
三 スターリン主義の人間学
1 原点としての人間不信
2 初期の革命活動をめぐる諸問題
3 政敵抑圧の手段
4 「大粛清」の論理
四 スターリン理論の諸特徴
――民主主義の問題を中心に――
l スターリンのプロレタリアート・人民観
2 党と党内民主主義の理論
3 民族間題におけるスターリン主義
4 スターリン主義の方法と諭理
第二章 ロシア革命と一党制の形成 高岡健次郎
一 はじめに
――スターリンの一党制論と本章の課題――
二 憲法制定議会とソヴェト
――ブルジョア政党カデットのゆくえ――
三 ブレスト講和と干渉戦・国内戦
――エスエル、メンシェヴィキの場合――
四 「第三の道」の破綻
――ロシアにおける一党制の成立――
第三章 スターリン主義と「トロツキイ問題」 佐々木 洋
――「工業化テーゼ」をめぐる社会主義論の一考察――
一 はじめに
――問題意識と課題の限定
二 レーニンの「最後の闘争」
――トロツキイとの「同盟」
三 トロツキイの社会主義論
――「工業化テーゼ」の論理と思想――
1 ネップの性格規定
2 ソヴェトエ業の諸問題
3 「社会主義的原始的蓄積」をめぐって
四 まとめにかえて
第四章 スターリンの前衛党論 佐藤俊二
――党と大衆組織との関係について――
一 はじめに
二 スターリンの前衛党概念
――その六つの指標――
三 前衛党と大衆組織
――レーニンとの対比において――
第五章 スターリンと党内民主主義 藤井一行
―― 一九二三年の党内論争を中心に――
一 はじめに
二 革命前の党組織論
三 第一二回党大会
四 「労働者民主主義」論争
五 「新路線」をめぐって
六 粛清の「論理」
第六章 哲学における「スターリン主義」批判 橋本 剛 村山 紀昭
一 はじめに
二 「スターリン哲学」批判史(その一)
1 批判の四つの課題
2 提起された諸論点
3 第一期の意義と限界
三 「スターリン哲学」批判史(その二)
1 批判的体系の登場
2 「批判的体系」以後
3 残された課題
四 「スターリン哲学」 の生成(概観)
五 むすびにかえて
――「スターリン哲学」の克服のために――
あとがき
『スターリン問題研究序説』をめぐる経緯 (PDF版)
佐々木洋(札幌学院大学名誉教授)
(1) 動機のひとつ――自分がいかに無自覚のうちにスターリン主義に汚染されていたか、の発見
(2)『序説』第三章の主眼と執筆当時の舞台裏
(3)非力な研究者のミイラ取りがミイラに
(4)ソルジェニーツインとメドヴェージェフ双生児。とくに後者から受けたインパクト
(5)「スタ研」のはじまりと、私の本業、「督促」の暑中見舞い
(6)『序説』の、「意図せざる」結果と反響に移ります。
6)―1 読者の反応
6)―2 機関紙に見る日本共産党の反応
6)―3 道党幹部からの よび出し
(7)メドヴェージェフ双生児研究